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ホワイトブログ@時々ダークエデン
或る時天使の翼から抜け落ちた一枚の羽。揺れるにしたがって汚れていく。汚れた白き羽が汚れを拭う処――永久の鐘が鳴る場所で、幻想的な光に包まれて―― 汚れた白の本当の姿が貴方には見えますか?
人形
横向きの世界、低い視点、縦に伸びる道路、右側に広がる群青色の空。
なんでだろ、私倒れてる?
力を入れてみるものの視界は動かない。
腕が動かせないや、なんでだろうな
足も動かせないや、あー・・・人形なんだ
十一月の空が少し明るくなってくる。
こんな寒い日に何で外に居るんだろう?
視界の端に白い袋が見える、国が指定した中身が見える白い袋。
此処はゴミ置き場かぁ
私捨てられちゃったんだ
だってこんなに汚いもん、仕方ないよね。
視界に人影が映った。
あっ、近所のお姉ちゃんだ、こんなに朝早くから仕事に行くんだ、すごいや
スーツ姿の女性は酷く驚いたような表情をこちらに向けて半秒、顔色を変えて走り出した。
どうしたんだろう?そんなに汚かったかな。
空が段々明るくなっている。
あれ?お兄ちゃん?
横たわる視界に血相を変えて走る青年の姿が映った、青年は肩で息をしながらゴミ置き場に歩み寄っていく
青年は立ち止まりぽろぽろと涙を流し始めた。
お兄ちゃん?どうして泣いてるの?
横たわる視界に泣きながら手を差し出してくる青年が居た
お兄ちゃん?私、汚いから触ったら汚れるよ?
喉が振るわない、人形だから?
視界が戻されてゆく、空が上に見えた。
お兄ちゃんくすぐったいよ、抱きつかないで、汚れちゃう
でも、暖かいな・・・ありがとう
青年に支えられた視界に見慣れた女性の姿が映る。
あっ、お母さん、、、、なんで、なんで泣いてるの?
女性は道路にへたり込み泣いている、その傍らに見慣れた男性が立つ。
お父さん?なんで?仕事じゃないの?
男性はへたり込みながら泣いている女性と共に泣き出した。
なんで?なんで?なんでみんな泣いてるの?
青年は涙を流し嗚咽を堪えながら何か言っている。
お兄ちゃん泣かないでよ、もういいから
尚も青年は謝罪の言葉を言い続ける。
そのうちに騒音と共に白い車が見えた
救急車――なんで?誰か怪我したの?
車からヘルメットをかぶった若い隊員が降りてくる。
ほら、お兄ちゃんが抱きつくか汚れちゃったよ?お母さんに怒られちゃうね
隊員が青年が抱くものを奪った。
視界ぐらついた、少し赤みを帯びてきた空を仰ぎ、反転した世界を映し出す。
大勢の大人が見送っていた、皆悲しそうだ
あれ?あの人一人だけ笑ってる?
野次馬の中で一人不気味な男が薄気味悪く笑っていた。
目に焼きつく薄気味悪い笑い
人形じゃなかった頃の記憶がある。
私が最後に見た表情。
返り血を浴びて不気味さを増したその表情は――
たまらなく嫌だった、全存在を賭けて言ってやる
『人形』
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